トラック・バス・タクシー運送業の労務管理、就業規則は熊本の社労士
村上直己社会保険労務士事務所
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トラックとバスに関して、誤解が生じやすい点だと思います。休息期間分割の特例は、休息期間が8時間以上とれない場合の特例です。休息期間が8時間以上とれている場合は、勤務の途中に4時間以上、間が空いても、それは休憩時間となり、休息期間には該当しないことになります。
スクールバスで考えてみると、例えば、朝6時が始業時刻で9時まで3時間、運転したとします。その後一旦終了して帰宅し、その後、午後に15時から18時まで3時間運転し、終業時刻は18時だったとします。
この場合、9時から15時までの6時間、つまり4時間以上、間が空いていますよね。これを休息期間分割の特例に該当する、と考えられているケースがたびたび見られています。
しかし、前日の終業時刻も同じく18時だったとすれば、前日18時から当日朝6時まで12時間の休息期間がとれていることになりますよね。したがって、この場合は休息期間分割の特例には該当しないこととなります。
では、9時~15時の6時間の扱いはどうなるか、これは、休憩時間としての扱いとなります。それで、休憩時間であれば、拘束時間となり、その日の拘束時間は、朝6時から18時までの12時間ということになります。
ちなみに、拘束時間に該当するとすれば、「12時間分の賃金が発生するのか」と考えられる方もいらっしゃるかも知れません。しかし、休憩時間には賃金は発生しません。賃金が発生するのは、あくまで労働時間です。つまり、午前の3時間プラス午後の3時間、計6時間が賃金が発生する時間帯となります。
なお、現在は、休息期間は8時間以上となっておりますが、令和6年4月から、休息期間の下限は9時間となります。トラックでは一部例外はあるものの、変更箇所へのご注意をお願いします。
これもご質問をお受けした内容です。例えば、月曜日の勤務が、午前8時が始業時刻、21時が終業時刻とし、休憩時間を1時間とったとします。この場合、1日の拘束時間は13時間となりますよね。ですが、その翌日の火曜日の始業時刻が午前6時からだったとすれば、1日の拘束時間は始業時刻からの24時間で計算する以上、火曜日の午前6時~8時の2時間も月曜日の拘束時間に含まれることとなりますよね。それで、月曜日の拘束時間は、実は15時間だったことになります。また、この2時間は、月曜日と火曜日にダブルカウントされることとなりますよね。
以上は1日の拘束時間についてでした。では、労働時間、時間外労働についてはどう考えたものでしょうか。変形労働時間制は考えないとして、この点、月曜日の拘束時間は13時間で休憩時間は1時間、ということで、労働時間は12時間、つまり、8時間を超えた4時間が時間外労働となりますよね。ですが、ご相談に来られた方が聞かれた話しとのことでしたが、「自動車運転者の1日は始業時刻からの24時間で計算する、ということで、火曜日の午前6時から8時の2時間も月曜日の時間外労働に当たり、月曜日の時間外労働は、合計6時間となるとの話しを聞いたが本当か?」というご質問でした。
ここで重要なのは、休息期間の役割りといえるかと思います。つまり、
「休息期間の役割りは、勤務と勤務を区分するところにもその意味があり、勤務と次の勤務の間に一定の長さ以上の休息期間を置くことによって、前の勤務と後の勤務を切り離すことにしているものである。すなわち、継続8時間以上の休息期間が与えられれば、その直後の勤務は新しい1日の勤務の始まりになるということである。」
とあります。ちゃんと休息期間をとることで、前後の勤務を切り離してしまうということですよね。
では、8時間以上とれなかったらどうなるか。これは、休息期間ではなく、休憩時間となってしまいます。それこそ、火曜日の勤務も月曜日の時間外労働となってしまうことになりますよね。
休息期間がしっかりととれるよう、お気をつけください。
なお、令和6年4月からは、休息期間は9時間が下限となります。ご留意願います。
仮眠時間は、休憩時間としても構わないじゃないか、と思われるかもしれません。しかし、
「労働時間とは解し難い点もあるが、(車輛に)乗り込む点において使用者の拘束を受け、また万一事故発生の際には、交替運転、あるいは、故障修理等を行うものであり、その意味において一種の手待ち時間、あるいは、助手的な勤務として労働時間と解するのが妥当」
と、解釈されております。「納得いかん!」といった声が聞こえてきそうですが、このような運用になっております。
2人乗務は、頻繁にあるわけではないかと思われますが、仮眠時間の扱いもご留意願います。
村上直己社会保険労務士事務所の
村上直己です。
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