トラック・バス・タクシー運送業の労務管理、就業規則は熊本の社労士
村上直己社会保険労務士事務所
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受付時間
自動車運転者が同時に1台の自動車に2人以上乗務する場合(車両内に身体を伸ばして休息できる設備がある場合に限る。)においては、最大拘束時間を20時間まで延長することができる。また、休息期間は4時間まで短縮することができる。
【原則】
(改正前と変わらず)
【例外】
ただし、当該設備が次のいずれにも該当する車両内ベッドまたはこれに準ずるものとして厚生労働省労働基準局長が定める設備に該当する場合で、かつ、勤務終了後、継続11時間の休息期間を与える場合は、拘束時間を24時間まで延長することができる。
この場合において、8時間以上の仮眠時間を与える場合には、当該拘束時間を28時間まで延長することができる。
厚生労働省労働基準局長が定める設備とは、次のいずれにも該当する車両内ベッドをいう。
(ア)長さ198cm以上、かつ、幅80cm以上の連続した平面であること
(イ)クッション材等により走行中の路面等からの衝撃が緩和されるものであること
改正前の規程に変更はなく、これが、改正後の【原則】となっています。
【例外】部分が新規に追加されています。【例外】には、ベッドのサイズ等、細かいことが規程されています。これは、北海道のトラック協会からの要望だそうです。馬匹輸送(競走馬輸送)の車両を想定しているとのことです。こういった車両は特注で、仮眠設備もしっかりと充実しているとのことで、そういった場合には、拘束時間の延長も構わないだろうということで、規程されたとのことです。
なお、「当該設備が次のいずれにも該当する車両内ベッドまたはこれに準ずるもの・・・」の「これに準ずるもの」について、将来的に「車両の技術開発の動向等を踏まえて検討されるものであり、現時点では上記(ア)(イ)に該当する車両内ベッドのみが、ただし書の特例の対象となる。」となっています。
現時点では、「準ずるもの」に該当なし、とのことになりますよね。
【例外】は、熊本、九州、西日本あたりでは、特に気にする必要はないような気がします。
【原則】の部分のみに目を向けていれば良いと思われます。
2暦日における拘束時間は、21時間を超えてはならないものとする。
ただし、事業場内仮眠施設または使用者が確保した同種の施設において、夜間に4時間以上の仮眠時間を与える場合には、2週間について3回を限度に、この2暦日における拘束時間を24時間まで延長することができるものとする。この場合においても、2週間における総拘束時間は126時間(21時間×6勤務)を超えることができないものとする。
勤務終了後、継続20時間以上の休息期間を与えなければならないものとする。
(変更なし)
フェリー乗船時間は、原則として、休息期間として扱うものとする。
与えるべき休息期間の時間から、フェーリー乗船中の休息期間について減ずることができる。
ただし、減算後の休息期間は、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの間の時間の2分の1を下回ってはならないものとする(※1)。
なお、フェリー乗船時間が8時間(※2)を超える場合には、原則としてフェリー下船時刻から次の勤務が開始されるものとする。
(※1)2人乗務の場合を除く
(※2)2人乗務の場合には4時間、隔日勤務の場合には20時間
(変更なし)
フェリー乗船の特例についても、変更はないようです。
参考までに、以前、トラック事業では、フェリー乗船の特例で、「乗船後、2時間は拘束時間として扱う・・・」となっていましたよね。それが、平成27年に改正となり、乗船時刻から休息期間となる、と変更されましたよね。バス事業では、今でも以前のトラック事業と同じく、「乗船後、はじめの2時間は拘束時間として扱う・・・」との規程となっています。これが今回の改正で、現在のトラック事業と同じく、乗船時刻から休息期間との扱いへ、変更になるということです。
16ページ目の上部、3つ目のポッチの記述についてです。
なお、フェリー乗船時間が8時間(※)を超える場合には、原則としてフェリー下船時刻から次の勤務が開始されます。
と書いてあります。要は、乗船時間が休息期間を満たすようであれば、下船後は次の新たな勤務となる、との考えですよね。そして、改正後は原則の休息期間は下限が9時間となることで、上記「8時間(※)」の部分は「9時間」の誤植だとも思いましたが、これは恐らく、休息期間の例外「宿泊をともなう長距離貨物運送」を念頭に置いて「8時間」と記載されているのだろうと思います。「考え方」での解説では、原則の「9時間」として休息期間の時間を計算してあるようです。
宿泊をともなう長距離運送でなく、原則の休息期間の場合には、「8時間」を「9時間」に読み替えた運用となると思われます。この点、ご注意願います。
休日は、休息期間+24時間の連続した時間とする。
休日労働の回数は、2週間について1回を超えないものとする。
(変更なし)
休日の考え、「休息期間+24時間の連続した時間」に変更はありません。
ただし、休息期間の下限が、改正前「8時間」から改正後「9時間」へと変更されるため、休日の原則は
9時間+24時間=33時間
このように、32時間が33時間へ変わってくることになります。
休日労働について、変更があったわけではありません。確認のため、記載しております。
ここで言う「休日労働」とは、労働基準法上の休日労働(第35条)、
毎週少なくとも1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日
つまり、法定休日を指します。
この法定休日のうちで、2週間について1回を超えない範囲で休日労働ができるということになります。ただし、時間外労働、休日労働を合わせても拘束時間の範囲内に収める必要はもちろんあります。
また、1か月の拘束時間(原則284時間)の計算でもご紹介しましたように、改正後は、拘束時間9時間の休日労働を月1回行う、ことを想定していることにご注意願います。
村上直己社会保険労務士事務所の
村上直己です。
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