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日勤勤務
1か月および1日の拘束時間、休息期間

ここでは、日勤勤務について、
①1か月の拘束時間
②休息期間
③1日の拘束時間
の順に、ご紹介いたします。また、
④日勤・隔勤併用時の注意点
についてもご紹介いたします。

 

①1か月の拘束時間(日勤)

改正前

299時間を超えないものとする。

改正後

288時間を超えないものとする。

1か月の拘束時間(日勤)について

「1か月288時間の拘束時間」が設定された経緯

自動車運転者の年間の時間外労働が、令和6年4月から、960時間となるため、これをどう、拘束時間へ落とし込むか、これが議論の出発点と言えます。

結果として改正後は、1か月の拘束時間は、改正前より11時間の短縮となりました。「1か月の拘束時間を何時間で設定するか」この点、なかなか意見がまとまらなかったところだったようです。色んな意見、計算が主張されていたようです。

どういった計算で「288時間」となったか?

1か月の拘束時間について、どういった計算にもとづいて、288時間とされたか、労働時間、休憩時間、時間外労働、休日労働、このように「時間」を分解してみたいと思います。いろいろな計算が成り立つわけですが、ざっくりしたところで、以下が288時間の根拠と言えそうです。

  • 1か月の労働時間について、1日8時間労働で、1か月に21~22日の勤務日数とすると、1か月の労働時間は、

8時間×21.75日(22日弱)=174時間

  • 1か月の休憩時間について、1日当たり1時間の休憩時間、月21日勤務とすると、1か月の休憩時間は、

21時間

  • 1か月の労働時間と休憩時間を足すと、

174時間(労働時間)+21時間(休憩時間)=195時間

この195時間が、時間外労働・休日労働が発生しない範囲での1か月の拘束時間といえますよね。ただし、この計算はあくまで、目安としての標準的な計算です。すべてのタクシー事業者にあてはまるわけではありません。

  • 次は、時間外労働について、年間の時間外労働が、960時間(休日労働含まず)が上限とされています。そこで、

960時間÷12月=80時間

  • 休日労働については、1か月で1回、拘束時間を13時間と想定しています。

以上を足し合わせると、

174時間(労働時間)+21時間(休憩時間)+80時間(時間外労働)+13時間(休日労働)

=288時間

これが、1か月の拘束時間の計算となります。

改正前は、休日労働を月2回と想定していたところ、改正後は、11時間の休日労働を1回分減らす、といった考えと言えるかと思います。

なお、拘束時間の管理を1か月単位より枠を広げ、例えば、4か月単位での管理とするのはいかがか?といった意見もあったようです。つまり、288時間×4か月=1,152時間での管理ということですが、これでは、ある特定の1か月または2か月あたりが過重労働となったりとかの偏りが生じないか、といった反対意見により、採用には至っていないようです。

②休息期間(日勤)

改正前

勤務終了後、継続8時間以上の休息期間

改正後

勤務終了後、継続11時間以上の休息期間を与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らない

休息期間について(日勤)

「継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、下限は9時間」の経緯

1日の拘束時間は、休息期間の裏返しということで、先に休息期間をご紹介いたします。

ちなみに、休息期間をどう設定するか、この点が最も意見がまとまらなかったところのようでした。

改正後の休息期間は、

  • 継続11時間以上与える努力義務を基本とする
  • 下限は9時間

継続11時間以上の努力義務を基本とし、しかも、11時間を先に記載して目立つようにした、大変、変則的な記述となっております。

これは、11時間以上の勤務間インターバル(=休息期間)が推奨されていること、EU諸国では11時間の勤務間インターバルが標準となっていること等が理由のようです。そこで、睡眠時間の確保、疲労回復の観点から「継続11時間以上の休息期間が確保されるよう自主的な改善の取組を行うことが特に要請される」ものとしての願いが込められている、といったところでしょうか。

例えば「休息期間11時間を原則として、例外的に週3回まで9時間が可能」としたい、といった意見もありました。しかし、これに対しては、行く先が遠方だったりした場合でも、輸送の引受け義務のため乗車拒否はできず、結果として休息期間11時間が守れなくなる。また、泥酔者対応、交通渋滞、交通事故での警察の処理への対応、といった場合も想定できる。というような、事業者、運転者の努力によっても違反が発生するのは不可避、といた実態がある、といった反対意見が多く、最終的には、上記の記述で妥協が成立した経緯があったようです。

参考までに、改正後の休息期間は、トラック、バス、タクシーで同じ記述となっております。(トラックには例外あり)

③1日の拘束時間(日勤)

改正前

1日についての拘束時間は、13時間を超えない。最大拘束時間は16時間

改正後

1日についての拘束時間は、13時間を超えない。最大拘束時間は15時間

14時間を超える回数をできるだけ少なくするよう努める。(「1週間について3回以内」を目安とする。)

1日の拘束時間について(日勤)

1日の拘束時間は、休息期間の裏返しとして、

  • 原則13時間
  • 最大15時間
  • 14時間を超える回数を1週間について3回以内とするよう努める

13時間の原則は、改正前と同じですよね。

「1週間について3回以内」との回数の制限の部分は、タクシー事業では新設となります。ちなみに、「1週間について3回以内」は、バス事業は同じですが、トラック事業では、「1週間について2回以内」と規程されています。

④日勤・隔勤併用の場合の注意点

日勤・隔勤を併用する場合には、

今回の改善基準告示改正へ向けた議論の中での発言で、特に地方で日勤・隔勤を併用していることが多い。例えば「日勤、日勤、日勤、隔勤、公休」といったシフトを繰り返す勤務割としている事業場がある。との発言だったようです。

この点、「日勤勤務と隔日勤務を併用する場合には、制度的に一定期間ごとに交替させるよう勤務割を編成しなければならない」こととされています。そして「一定期間」は、1か月以上、とされています。

これは、日勤と隔勤では、生活のリズム、睡眠時間等がまるで違うことで、身体的、精神的な負荷が大きいことが理由となります。

それで、例えば、「今月は日勤、来月は隔勤」と、1か月単位での交替の勤務割は可能です。

しかし、上記のような「日勤、日勤、日勤、隔勤、公休」といった勤務割の場合には、一定の要件を満たすことが必要となりそうです。Q&A集によると、一定の要件とは、

  1. 1か月における拘束時間の長さが、隔日勤務の1か月の拘束時間(262時間)の範囲内であること。
  2. 日勤の勤務の拘束時間が15時間を超えないこと。
  3. 日勤の勤務と次の勤務との間には、11時間以上の休息期間が確保されていること。日勤の休日労働を行わせる場合には、隔日勤務の休日労働と合わせて2週間に1回を限度とすること。
  4. 日勤の休日労働を行わせる場合には、隔日勤務の休日労働と合わせて2週間に1回を限度とすること。

以上が必要とのことです。この点、ご注意願います。

村上直己社会保険労務士事務所の
村上直己です。
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改正後は、1日の拘束時間での14時間を超える回数の制限が、努力義務ではありますが、設けられています。

回数の管理も必要となってきます。

どうやって管理していったものか、お悩みが生じるかもしれません。

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