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1か月および1年の拘束時間

ここでは、
1か月および1年の拘束時間
がどう変わるか、ご紹介いたします。

1年及び1か月の拘束時間

改正前

【原則】

拘束時間は、1か月について293時間を超えないものとする。

【労使協定による拘束時間延長】

ただし、労使協定があるときは、1年のうち6か月までは、1年間についての総拘束時間が3,516時間を超えない範囲内において、1か月の拘束時間を320時間まで延長することができる。

改正後

【原則】

拘束時間は、年間の総拘束時間が3,300時間、かつ、1か月の拘束時間が284時間を超えないものとする。

【労使協定による拘束時間延長】

ただし、労使協定により、年間6か月までは、年間の総拘束時間が3,400時間を超えない範囲内において、1か月の拘束時間を310時間まで延長することができるものとする。

この場合において、1か月の拘束時間が、284時間を超える月が3か月を超えて連続しないものとし、1か月の時間外・休日労働時間数が100時間未満となるよう努めるものとする。

【原則】の1か月の拘束時間について

【原則】1か月の拘束時間284時間の根拠

「1か月の拘束時間を何時間で設定するか」これが最後まで意見がまとまらなかった点だったようです。色んな意見、計算が主張されていたようです。

改正後の1か月の拘束時間について、「労働時間」「休憩時間」「時間外労働」「休日労働」と、時間を分解して計算してみたいと思います。

  • 年間の法定労働時間について、週40時間の法定労働時間がありますよね。そして、52週間を1年とみなして、

40時間×52週間=2,080時間(年間の労働時間)

  • 1か月の法定労働時間について、年間の労働時間を12か月で割り、1か月になおすと、

2,080時間÷12か月=173.333、端数は切り捨てて、173時間(1月の労働時間)

  • 休憩時間について、1か月で22日の勤務日数、1勤務あたり1時間として、22時間

173時間の労働時間+22時間の休憩時間=195時間

この195時間が、時間外労働・休日労働が発生しない範囲での1か月の拘束時間といえますよね。ただし、この計算はあくまで、目安としての標準的な計算です。すべてのトラック事業者にあてはまるわけではありません。続けて、

  • 時間外労働について、年間の時間外労働が960時間となることで、1か月当たりの時間外労働を80時間と想定し、

195時間+80時間=275時間

  • 休日労働について、1か月で1回の休日労働を行ない、その休日労働は、拘束時間を9時間(8時間労働+1時間休憩)と想定すると、合計で、

275時間+9時間=284時間

これが、原則としての1か月の拘束時間となります。

ちなみに、改正前は月294時間ですよね。改正前の294時間と改正後の284時間との差は、9時間となります。つまり、改正前は休日労働を月2回行うことを想定していましたが、改正後は、月1回の休日労働を想定している、と言えます。

【原則】の年間の総拘束時間について

年間の総拘束時間3,300時間の根拠

改正前は、【原則】としての年間総拘束時間の記述はありませんでした。1か月293時間のみでした。これが、改正後は、年間の総拘束時間が新設された格好になっています。3,300時間です。

これは、上の1か月の拘束時間で計算した、休日労働を抜いた1か月の拘束時間、つまり、

275時間(労働時間173時間+休憩時間22時間+時間外労働80時間)

これを12倍した時間数です。

月275時間×12月=3,300時間

年間の総拘束時間(3,300時間)と1か月の拘束時間(284時間)は、「かつ」の関係にあります。いずれも超えないようにする必要があります。

例えば、1か月で見ると、年間を通して全て284時間で収まっていたとしても、

284時間×12か月=3,408時間

となってしまい、違反となります。

月の拘束時間だけでなく、年間も念頭に置いた拘束時間管理が必要となります。

【労使協定による拘束時間延長】の場合の
拘束時間について

1か月について

拘束時間延長の労使協定の締結により、改正前は、月320時間だったところ、改正後は、月310時間へと短縮されることとなりました。

これは、時間数の割合で計算しているとのことです。

つまり、改正前は、月293時間を約1割増(293時間×1.1=322.3時間)として、これを切り捨てて320時間とする。改正後は、月284時間を同じく1割増とし、284時間×1.1=312.4時間、切り捨てて310時間、という計算になっているようです。

1年について

改正前の3,516時間が、改正後は3,400時間となっています。

改正前は、月293時間×12月=3,516時間、で計算されていました。

とすれば、改正後では、月284時間×12月=3,408時間となりそうなところ、バス事業が年間総拘束時間を3,400時間と既に設定していた関係もあり、バス事業と歩調を合わせて、3,400時間とするといった経緯があったようです。

延長できる月数について

原則の月の拘束時間を超えることができる回数は、「年間6か月までは」、となり、これは改正前と同様です。

改正後の2つ目のフレーズ「この場合において・・・」について

「この場合において・・・」以降は新設されました。

  • 284時間を超える月が3か月を超えて連続しないこと
  • 1か月の時間外・休日労働時間数が100時間未満となるよう努めること

これは、時間超過が連続したら、疲労が蓄積するのではないか、疲労の蓄積は避けるべきとの考えからのもので、また、時間外・休日労働時間数を100時間未満で抑えたい、との考えは、一般労働者の時間外・休日労働の上限規制である月100時間を意識した努力義務と言えるようです。

注意点:月の拘束時間と年の拘束時間の関係

前述の繰返しになりますが、月の拘束時間と年の拘束時間は、「かつ」の関係になります。

例えば、月の拘束時間が、原則の284時間に全て収まっていたとしても、年の拘束時間で考えると、3,300時間を超えるようであれば、拘束時間延長の労使協定が必要となります。

逆に、年3,300時間に拘束時間が収まっていたとしても、月拘束時間が284時間を超えるようであれば、拘束時間延長の労使協定が必要となります。

なお、前述通り、284時間を12か月続けた場合、3,408時間となり、これは、拘束時間延長の労使協定があったとしても、いずれにしても、違反となります。

ご注意願います。

※注意点:拘束時間延長の労使協定について

拘束時間延長の労使協定につき、ご注意いただきたい点として、いわゆる36協定は手続きができている事業場が大半だと思います。しかし、36協定は「時間外・休日労働に関する協定」であって、時間外労働・休日労働が発生する場合の労使協定です。

トラック事業での拘束時間延長の労使協定は、拘束時間を延長するものであって、36協定とは別物です。労使協定は36協定のみ、と思い込まれている事業場が大変多いような気がします。別途、必要に応じての労使協定締結をお願いします。

下に労使協定書(例)のリンクを貼っております。この記載例は、改正後に対応しています。

村上直己社会保険労務士事務所の
村上直己です。
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拘束時間の規程が、改正前よりも複雑になりそうです。

結構、ややこしいと思います。

どうやって管理していったものか、お悩みが生じるかもしれません。

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