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1か月および1年の拘束時間

1か月および1年の拘束時間をご紹介いたします。
右は解説パンフレット全体版のリンクです。
下は解説パンフレット該当ページ抜粋のリンクです。

1年および1か月の拘束時間

【原則】

拘束時間は、年間の総拘束時間が3,300時間、かつ、1か月の拘束時間が284時間を超えないものとする。

【労使協定による拘束時間延長】

ただし、労使協定により、年間6か月までは、年間の総拘束時間が3,400時間を超えない範囲内において、1か月の拘束時間を310時間まで延長することができるものとする。

この場合において、1か月の拘束時間が、284時間を超える月が3か月を超えて連続しないものとし、1か月の時間外・休日労働時間数が100時間未満となるよう努めるものとする。

【原則】の1か月の拘束時間について

【原則】1か月の拘束時間284時間の根拠

1か月の拘束時間については、「労働時間」「休憩時間」「時間外労働」「休日労働」に分けて考えると、全体像をつかみやすくなります。

  • 年間の法定労働時間について、週40時間の法定労働時間を前提に52週間を1年とみなして、

40時間×52週間=2,080時間(年間の労働時間)

  • これを12か月で割ると、

2,080時間÷12か月=173.333、1か月の労働時間は173時間と考えることができます。

  • 休憩時間について、1か月で22日の勤務日数、1勤務あたり1時間として、休憩時間は22時間

とすれば、173時間の労働時間+22時間の休憩時間=195時間

この195時間が、時間外労働・休日労働を加味しない場合の1か月の標準的な拘束時間といえます。

続けて、

  • 時間外労働について、年間の時間外労働が960時間となることで、1か月当たりの時間外労働を80時間と想定し、

195時間+80時間=275時間

  • 休日労働について、1か月で1回の休日労働を行ない、その休日労働は、拘束時間を9時間(8時間労働+1時間休憩)と想定すると、合計で、

275時間+9時間=284時間

これが、原則としての1か月の拘束時間となります。

ちなみに、改正前は月293時間でした。対して改正後は284時間となり、その差は9時間となります。この9時間は、休日労働1回分に相当すると考えることができます。つまり、改正前は休日労働を月2回行うことを想定していましたが、改正後は、月1回の休日労働を前提とした運用が求められている、と言えます。

なお、前述の年間の時間外労働時間数の960時間(休日労働を含まず)は、1か月あたり80時間の時間外労働の発生を想定して、80時間×12か月=960時間との計算によります。

【原則】の年間の総拘束時間について

年間の総拘束時間3,300時間の根拠

改正前は、【原則】としての年間総拘束時間の記述はありませんでした。1か月293時間のみでした。これが、改正後は、【原則】においても年間の総拘束時間が新設されています。原則3,300時間です。

改正前は、1か月293時間という基準が中心的に理解されることが多かったですが、改正後は、月単位だけでなく、年間の総拘束時間についても意識した管理がより重要になっています。

3,300時間は、上の1か月の拘束時間で計算した、休日労働を抜いた1か月の拘束時間、つまり、

275時間(労働時間173時間+休憩時間22時間+時間外労働80時間)

これを12倍した時間数です。

月275時間×12か月=3,300時間

加えて、年間の総拘束時間(3,300時間)と1か月の拘束時間(284時間)は、「かつ」の関係にあります。いずれも超えないようにする必要があります。

例えば、1か月で見ると、年間を通して全て284時間で収まっていたとしても、

284時間×12か月=3,408時間

となってしまい、違反となります。

拘束時間の管理にあたっては、月単位だけでなく、年間を通じた視点での対応が必要です。

【労使協定による拘束時間延長】の場合の
拘束時間について

1か月について

拘束時間延長の労使協定の締結により、最大で月310時間まで延長が可能です。

改正前は、月320時間でしたよね。

これは、時間数の割合で計算しているとのことです。

つまり、改正前は、月293時間を約1割増(293時間×1.1=322.3時間)として、これを切り捨てて320時間とする。改正後は、月284時間を同じく1割増とし、284時間×1.1=312.4時間、切り捨てて310時間、という計算になっているようです。

1年について

年間の総拘束時間は、3,400時間となっています。ちなみに、改正前は3,516時間でした。

計算の根拠ですが、改正前は、月293時間×12月=3,516時間、とされていました。

とすれば、改正後では、月284時間×12月=3,408時間となりそうなところ、バス事業が年間総拘束時間を3,400時間と既に設定していた経緯もあり、バス事業と歩調を合わせて、3,400時間とすることになったようです。

延長できる月数について

原則の月の拘束時間を超えることができる回数は、「年間6か月までは」、となり、これは改正前と同様です。

改正後の2つ目のフレーズ「この場合において・・・」について

「この場合において・・・」以降は新設されました。

  • 284時間を超える月が3か月を超えて連続しないこと
  • 1か月の時間外・休日労働時間数が100時間未満となるよう努めること

これは、時間超過が連続したら、疲労が蓄積する、疲労の蓄積は避けるべきとの考えからのようです。

また、時間外・休日労働時間数を100時間未満で抑えたい、との考えは、自動車運転業務に就かない一般労働者の時間外・休日労働の上限規制である月100時間を意識した努力義務と言えるようです。

注意点:月の拘束時間と年の拘束時間の関係

前述の繰返しになりますが、月の拘束時間と年の拘束時間は、「かつ」の関係になります。

例えば、月の拘束時間が、原則の284時間に全て収まっていたとしても、年の拘束時間で考えると、3,300時間を超えるようであれば、拘束時間延長の労使協定が必要となります。

逆に、年3,300時間に拘束時間が収まっていたとしても、月拘束時間が284時間を超えるようであれば、拘束時間延長の労使協定が必要となります。

なお、前述通り、284時間を12か月続けた場合、3,408時間となり、これは、拘束時間延長の労使協定があったとしても、いずれにしても、違反となります。

ここは、ご注意いただきたい点です。

※注意点:拘束時間延長の労使協定について

拘束時間延長の労使協定については、見落としに注意が必要です。

36協定は、多くの事業場で整備されていることと思いますが、これは「時間外・休日労働に関する労使協定」です。

労使協定には、「○○に関する労使協定」というように、内容や目的に応じてさまざまな種類があります。

そのため、36協定があるからといって、拘束時間の延長に関する対応まで足りているとはいえません。改善基準告示への対応としては、拘束時間延長の労使協定についても、別途確認しておくことが大切です。

下に「拘束時間の延長に関する労使協定書(例)」のリンクを貼っております。

村上直己社会保険労務士事務所
村上直己です。
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そのため、「どのように管理していけばよいのだろう」「自社ではどのように対応すればよいのだろう」と感じられることもあるかもしれません。

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