
トラック・バス・タクシー運送業の労務管理、就業規則は熊本の社労士
社会保険労務士村上直己事務所
〒861-8039 熊本県熊本市東区長嶺南3-3-33
受付時間
運転時間は、2日を平均し1日当たり9時間、2週間を平均し1週間当たり44時間を超えないものとする。
運転時間の管理は、改正前・後で変更はありません。
2日平均1日当たりの運転時間について、これまで同様、特定日の前日との平均、特定日の翌日との平均、いずれも9時間を超えた場合に違反とされています。また、
2日とは、始業時刻から起算して48時間のことをいう
との考え方にも、これまで同様です。
2週間平均1週間当たりの運転時間についても、2週間を平均して1週間当たりが44時間まで、これも改正前・後で変更ありません。
また、2週間は、特定の日を起算日として2週間ごとに区切る、との考え方も改正前と同様です。
【原則】
連続運転時間(一回がおおむね連続10分以上で、かつ、合計が30分以上の運転の中断をすることなく連続して運転する時間をいう。以下同じ。)は、4時間を超えないものとする。
(「おおむね10分以上」とは、原則10分以上とする趣旨であり、例えば10分未満の運転の中断が3回以上連続する等の場合は、「おおむね10分以上」に該当しない。)
当該運転の中断は、原則休憩とする。
【例外】
ただし、サービスエリア、パーキングエリア等に駐車または停車できないことにより、やむを得ず連続運転時間が4時間を超える場合には、30分まで延長することができるものとする。
【原則】の箇所では、
「おおむね10分以上」「運転の中断は、原則休憩」については以下のとおりです。
「おおむね10分以上」という表現は、ややわかりにくい部分かもしれません。
ご承知のとおり、以前の運転中断時間の分割については、「10分以上」という明確な線引きがされていました。これに対し、現在は『おおむね10分以上』とされ、一定の柔軟性が持たせられています。
たとえば、9分50秒で車両を動かした場合、従前の考え方では運転の中断に該当しないことになります。このように、時間を厳密に区切りすぎることが、かえって運転者の負担やストレスにつながる場合もあります。
また、運転者によっては、「このサービスエリアではトイレ休憩だけにして、次のサービスエリアで少し長めに休みたい」と考えることもあるでしょう。こうした個々の事情や希望にも配慮し、一定程度柔軟に対応できるようにする趣旨があるようです。
このように、『おおむね10分以上』という扱いは、現場である程度の融通が利くように設けられているものと考えられます。
では、実際の運用をどのように考えるべきでしょうか。
「おおむね10分以上」については、明確な下限が設けられているわけではありません。ただし、「10分未満の運転の中断が3回以上連続する等の場合は、おおむね10分以上に該当しない。」とされています。
そうすると、「1回当たり5分程度でもよいのか」といった疑問が生じるところです。
この点については、厚生労働省公表の『Q&A集』に考え方が示されています。下にQ&Aの該当ページの抜粋リンクを掲載しております。
これによれば、「おおむね10分以上」とは、基本的には「原則として10分以上」と考えるのが適切と思われます。
そのため、5分程度の中断は、「おおむね連続10分以上」という考え方から乖離が大きく、認められないと考えられます。
また、「10分未満の運転の中断が3回以上連続する等の場合」とは、たとえば次のようなケースが想定されます。
この場合は、合計37分の運転の中断として扱われ、特に問題はないと考えられます。
この場合、1回目と2回目の「9分」は運転の中断として認められますが、3回目の「9分」は認められないことになります。したがって、この時点で認められる運転の中断は18分となり、なお12分の運転の中断が必要になります。
また、「3分」については、10分との乖離が大きいため、認められないと考えられます。
なお、「Q&A集」には「9分」の例は掲載されていますが、「8分」や「7分」の例までは示されていません。そのため、実務上は、少なくとも9分程度を一つの目安として考えておく方が無難ではないかと、個人的には考えています。
それから、下記のQ&A集の抜粋には、「おおむね10分以上」についての事項に加えて、以下に記載している「運転の中断は原則として休憩」に関する事項や、「連続運転時間の例外」についての内容も含まれています。
運転の中断については、「原則として休憩を与える」ものとされています。
これは、中距離・近距離輸送、とりわけ宅配業務などにおいて、運転の中断時間中に荷物の積卸しや積替え等の作業が行われ、結果として十分な休憩が取れていない場合が少なくないことが背景にあるようです。
そのため、別途、適切に休憩時間が確保されているのであれば、すべての運転の中断時間を必ず休憩に充てなければならない、という趣旨ではないと考えられます。
このような事情から、「原則として」という文言が用いられているものと思われます。
連続運転時間については、やむを得ない場合に限り、4時間に加えて30分まで延長できるものとされています。これは、たとえばサービスエリアやパーキングエリアが満車で、やむを得ず停車場所を確保できない場合などを想定した例外措置といえます。
ただし、注意すべき点として、「連続運転時間が4時間30分に延長されたと解してはならない。」とされています。つまり、運行計画を作成する段階においては、最大の連続運転時間はあくまで4時間であり、この原則自体に変更はないということです。
個人的には、サービスエリアやパーキングエリアが満車で、やむを得ず連続運転時間を延長して次の休憩地点へ向かったとしても、そこで確実に停車できる保証があるのか、という疑問も残るところです。もっとも、解釈上は、「使用者においては、このことを踏まえ、余裕をもった運行計画を作成する必要がある。」とされています。
また、サービスエリア、パーキングエリア等の「等」には、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、道の駅なども含まれるとされています。
このことからすれば、高速道路に限らず、一般道での運行においても、連続運転時間の延長が想定されていることになります。
連続運転時間を延長した場合には、その内容を記録として残しておくことが必要となります。
具体的には、たとえば次のような記録が考えられます。
このような記録を適切に残すことを運転者の方々にも十分に周知しておくことが大切です。
なお、余談ですが、バス事業に関する審議会の中でも、運転の中断について「継続10分以上」という要件を、もう少し使い勝手のよいものにできないか、との意見が出ていたようです。
そこで、バス事業では「軽微な移動」という新たな概念が導入され、「連続運転時間」「運転の中断」「軽微な移動の3項目によって管理する仕組みとなっているようです。
村上直己社会保険労務士事務所の
村上直己です。
最適な解決策を考えてまいりましょう。
連続運転時間は実務上「430」などと呼ばれることがあり、また、運転の中断についても「運転の離脱」といった言い方がされることがあります。
運転の中断について、一定の柔軟性を持たせた内容となっているように思われます。
このような柔軟な取扱いは、現場の実情に合わせやすいという点で、望ましい面があるといえます。
もっとも、その反面、管理のしかたが以前より複雑になり、かえって悩ましく感じられる場面もあるかもしれません。
前述の「Q&A集」は、その理解を深めるうえで参考になる資料と思われます。ですが、全体で65ページほどあり、なかなかの分量です。
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