
トラック・バス・タクシー運送業の労務管理、就業規則は熊本の社労士
社会保険労務士村上直己事務所
〒861-8039 熊本県熊本市東区長嶺南3-3-33
受付時間
分割しない休息期間については、下限時間が「継続9時間以上」とされています。
それに伴って、「継続9時間以上の休息期間を与えることが困難な場合」の特例となっています。
そのため、勤務終了後から次の勤務開始までの時間管理については注意が必要です。
バス事業、それからトラック事業についてもいえることですが、いずれにおいても、この点はお問い合わせの多いところです。実務上、誤解が生じやすい部分といえます。
そもそも、休息期間の分割特例は、勤務終了後に本来確保すべき休息期間を、継続して確保できない場合に認められる特例です。
「継続9時間以上」の休息期間を与えることができない場合の特例です。そのため、すでに継続した休息期間が確保されている場合には、勤務の途中で4時間以上の空き時間があったとしても、それは休息期間の分割には該当しません。
この場合、その時間はあくまで休憩時間として取り扱われることになります。そして、休憩時間である以上、拘束時間には含まれることになります。
休息期間の分割特例に該当するかどうかは、拘束時間の管理にも影響します。
この点には十分ご注意ください。
分割して休息期間を与える場合、分割された休息期間の合計は「11時間以上」となります。
なお、1回当たりの休息期間については、従前どおり「継続4時間以上」が必要です。
そのため、分割休息を行う場合には、「1回4時間以上」であることに加え、1日における合計時間が「11時間以上」となっているかを確認する必要があります。
分割休息の特例を適用できる「一定期間」については、取扱いが見直されました。
従前は、最大で「2か月程度」までを一定期間として考えることができましたが、現在では「1か月」が限度とされています。「1か月程度」ではありません。
そのため、分割休息の実施状況を確認する際には、従前よりも短い期間で管理する必要があります。
分割休息については、分割できる回数にも見直しが行われました。
従前は、一定の要件を満たせば3分割まで認められていましたが、現在では2分割までとされています。
そのため、分割休息を運用する場合には、従前のように3回に分けて休息期間を設定することはできない点に注意が必要です。
自動車運転者が同時に1台の自動車に2人以上乗務する場合(車両内に身体を伸ばして休息することができる設備がある場合に限る。)においては、
身体を伸ばして休息できる設備がある場合に限る特例、という点は、以前と変わりはありません。
「1.」は、交替運転者用のリクライニングシートを想定した取扱いです。
ここでいう「リクライニング方式の座席が少なくとも1座席以上確保されている場合」とは、交替運転者が休息のために使用できる専用座席を確保する、という趣旨と考えられます。
例えば、乗客の乗車・降車の都度、交替運転者が空いている別のリクライニングシートへ移動して休息するような運用では、落ち着いて休息することが難しく、十分な休息を確保できないおそれがあります。
そのため、交替運転者が使用するリクライニングシートについては、あらかじめ専用の座席として固定的に確保しておくことが必要と考えられます。
また、交替運転者が十分に休息できるよう、当該休息用シートの後部座席には乗客を乗せないなど、一定の空間を確保しておくことが望ましいとされています。
なお、このように交替運転者専用のリクライニングシートが確保されている場合には、最大拘束時間を19時間まで延長し、休息期間を5時間まで短縮することができます。
現在では、2人乗務の特例についての拘束時間・休息期間のいずれについても取扱いが見直されている点に注意が必要です。
車両内ベッドが設けられている場合には、最大拘束時間を20時間まで延長し、休息期間を4時間まで短縮することができます。
この点については、従前と同様の取扱いとされています。
「1.」のリクライニングシートに加え、カーテン等により乗客からの視線を遮る措置が講じられている場合には、交替運転者がより落ち着いて休息を確保できる環境が整っているものと考えられます。
このような設備がある場合には、従前同様に、最大拘束時間を20時間まで延長し、休息期間を4時間まで短縮することができます。
つまり、単にリクライニングシートが確保されているだけの場合とは異なり、カーテン等によって休息環境がさらに整備されている場合には、従前と同じ拘束時間・休息期間での運用が可能とされています。
バス事業において、隔日勤務を採用している事業場は多くないかもしれません。
隔日勤務の特例については、基本的な取扱いに大きな変更はありません。
そのため、隔日勤務を採用している場合には、従前どおり、該当する要件を確認しながら運用していくことになります。
従前は、フェリー乗船時間のうち、最初の2時間については拘束時間として取り扱い、2時間を超える部分については休息期間として取り扱うこととされていました。なお、フェリー乗船時間が2時間未満の場合には、その乗船時間が拘束時間として取り扱われていました。
トラック事業においても、以前はこの「最初の2時間を拘束時間として取り扱う」という考え方が採用されていました。しかし、トラック事業では平成27年の改正により、フェリーの乗船時刻から休息期間として取り扱うことに変更されています。
これは、船会社のサービス向上等により、乗船後は運転者が特段の業務を行う必要が少なくなり、実態として休息を確保しやすい状況になったことが背景にあるものと考えられます。
バス事業においても、2024年4月から、トラック事業と同様に、フェリーの乗船時刻から休息期間として取り扱う考え方へ変更されています。
なお、下船後の拘束時間の減算等の計算については、休息期間を「乗船時刻から」計算する点を除き、基本的には従前と同様の取扱いとなります。
また、フェリー乗船時間が9時間を超える場合には、下船時刻から次の新たな勤務を開始する取扱いとなります。
ここで「原則として」とされている点にも注意が必要です。
例えば、フェリー乗船中に運転日報を作成するなど、何らかの業務を行った場合には、その時間は労働時間となり、休息期間には該当しないことになります。
したがって、フェリー乗船中の時間がすべて当然に休息期間となるわけではなく、乗船中に業務を行った場合には、その業務に従事した時間を休息期間から除いて考える必要があります。
この点は、フェリー乗船時間を利用して休息期間を確保する場合の重要な注意点といえます。
村上直己社会保険労務士事務所の
村上直己です。
最適な解決策を考えてまいりましょう。
フェリー乗船中の特例については、従前から大きな見直しが行われています。
また、フェリー乗船中の特例だけでなく、休息期間の分割特例や2人乗務の特例についても、細かな変更点が見られます。
特に2人乗務については、拘束時間をより大きく短縮すべきとの意見もあったようです。一方で、例えば高校野球の甲子園出場に伴う長距離運転など、実務上どうしても従前と同程度の拘束時間が必要となる場面があるとの意見も示されていたようです。
このように、現在の改善基準告示は、運転者の健康確保と、バス事業の実務上の必要性とのバランスを踏まえて見直されたものといえます。
もっとも、実際の運用では、拘束時間、休息期間、フェリー乗船時間、2人乗務の取扱いなどを正確に整理しながら管理していく必要があります。
特に、以前と同じ運用をそのまま続けてよいのか、勤務割や運行計画を見直す必要があるのかなど、判断に迷う場面も出てくるかと思います。
当事務所では、バス事業における改善基準告示への対応、労務管理、時間管理、就業規則・関連規程の見直しについてご相談をお受けしております。
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