
トラック・バス・タクシー運送業の労務管理、就業規則は熊本の社労士
社会保険労務士村上直己事務所
〒861-8039 熊本県熊本市東区長嶺南3-3-33
受付時間
【原則】
自動車運転者が同時に1台の自動車に2人以上乗務する場合(車両内に身体を伸ばして休息できる設備がある場合に限る。)においては、最大拘束時間を20時間まで延長することができる。また、休息期間は4時間まで短縮することができる。
【例外】
ただし、当該設備が次のいずれにも該当する車両内ベッドまたはこれに準ずるものとして厚生労働省労働基準局長が定める設備に該当する場合で、かつ、勤務終了後、継続11時間の休息期間を与える場合は、拘束時間を24時間まで延長することができる。
この場合において、8時間以上の仮眠時間を与える場合には、当該拘束時間を28時間まで延長することができる。
厚生労働省労働基準局長が定める設備とは、次のいずれにも該当する車両内ベッドをいう。
(ア)長さ198cm以上、かつ、幅80cm以上の連続した平面であること
(イ)クッション材等により走行中の路面等からの衝撃が緩和されるものであること
【原則】
従前の規定に変更はなく、引き続きこれが原則です。
【例外】
例外規定では、ベッドの大きさなど、設備面についても細かな要件が定められています。
この特例は、北海道のトラック協会からの要望を背景に設けられたものとされており、主として馬匹輸送(競走馬輸送)用車両が想定されているようです。
こうした車両は特注で製作されることが多く、仮眠設備も相応に整っていることから、そのような場合には拘束時間の延長を認めても差し支えないとの考え方に基づいたものだそうです。
なお、「当該設備が次のいずれにも該当する車両内ベッドまたはこれに準ずるもの…」とされているうちの「これに準ずるもの」については、将来的に車両の技術開発の動向等を踏まえて検討される予定とされており、現時点では、上記(ア)(イ)に該当する車両内ベッドのみが、ただし書による特例の対象とされています。そのため、現時点では「これに準ずるもの」に該当する設備は、実務上想定されていないものと考えてよいでしょう。
このような経緯のため、通常の運行実務との関係では特に意識する場面は多くないようにも思われます。
したがって、多くの場合では、まず【原則】の部分を中心に押さえておけば十分と思われます。
2暦日における拘束時間は、21時間を超えてはならないものとする。
ただし、事業場内仮眠施設または使用者が確保した同種の施設において、夜間に4時間以上の仮眠時間を与える場合には、2週間について3回を限度に、この2暦日における拘束時間を24時間まで延長することができるものとする。この場合においても、2週間における総拘束時間は126時間(21時間×6勤務)を超えることができないものとする。
勤務終了後、継続20時間以上の休息期間を与えなければならないものとする。
トラック事業において、隔日勤務を採用している事業場が実際にどの程度あるのか、やや疑問に感じるところです。
いずれにしても、隔日勤務については、従前どおりの考え方が維持されており、実務上も基本的にはこれまでの整理を前提に確認していくことになるようです。
フェリー乗船時間は、原則として、休息期間として扱うものとする。
与えるべき休息期間の時間から、フェーリー乗船中の休息期間について減ずることができる。
ただし、減算後の休息期間は、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの間の時間の2分の1を下回ってはならないものとする(※1)。
なお、フェリー乗船時間が8時間(※2)を超える場合には、原則としてフェリー下船時刻から次の勤務が開始されるものとする。
(※1)2人乗務の場合を除く
(※2)2人乗務の場合には4時間、隔日勤務の場合には20時間
フェリー乗船に関する特例についても、従前の取扱いが維持されており、特段の変更はないようです。
ご参考までに、トラック事業では、以前はフェリーに乗船した後の最初の2時間を拘束時間として扱い、それを超える時間を休息期間として取り扱う考え方が採られていました。その後、平成27年の見直しにより、フェリー乗船時間を原則として休息期間として取り扱う形に改められています。
バス事業では、従前のトラック事業と同じ取扱いが維持されていましたが、令和6年4月からは、現在のトラック事業と同様に、フェリー乗船時間を原則として休息期間として取り扱う内容となっているようです。
16ページ目の上部枠内の3つ目のポッチの記述についてです。
なお、フェリー乗船時間が8時間(※)を超える場合には、原則としてフェリー下船時刻から次の勤務が開始されます。
と書いてあります。要は、乗船時間が休息期間を満たすようであれば、下船後は次の新たな勤務となる、との考えです。そして、原則の休息期間は下限が9時間となったことで、上記「8時間(※)」の部分は「9時間」の誤植だとも思いましたが、これは恐らく、休息期間の例外である「宿泊をともなう長距離貨物運送」を念頭に置いて「8時間」と記載されているのだろうと個人的には思います。「考え方」での解説では、原則の「9時間」として休息期間の時間を計算してあります。
「宿泊をともなう長距離運送」の例外に該当せず、原則の休息期間9時間の場合には、恐らくですが、「8時間」を「9時間」に読み替えた運用となると思われます。
休日は、休息期間+24時間の連続した時間とする。
休日労働の回数は、2週間について1回を超えないものとする。
休日の考え方、すなわち、
休息期間に24時間を加算した連続した時間
という基本的な取扱いに変更はありません。もっとも、通常勤務における休息期間の下限が、「8時間」から「9時間」に見直されたため、休日の原則的な長さも、32時間から33時間へと変わっています。つまり、通常勤務の場合の休日は、
9時間+24時間=33時間
を基準に考えることになります。
休日労働については、考え方に変更があったわけではありませんが、確認のため、あらためて整理しておきます。
ここでいう「休日労働」とは、原則として、労働基準法第35条の休日、いわゆる法定休日、
毎週少なくとも1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日
に労働させることをいいます。改善基準告示上、休日労働の回数は、2週間について1回が限度とされており、また、その休日労働によって、所定の拘束時間および最大拘束時間の限度を超えないようにする必要があります。
また、1か月の拘束時間の上限である原則284時間については、通達上、月80時間の時間外労働を前提とした275時間に、月1回の休日労働に相当する1日9時間の拘束時間を加えたものとして整理されています。したがって、改正後の実務を考えるうえでは、月1回・9時間程度の休日労働が想定の一つとして織り込まれている点にも留意しておきたいところです。
村上直己社会保険労務士事務所の
村上直己です。
最適な解決策を考えてまいりましょう。
このページでご紹介いたしました各特例や休日・休日労働の考え方については、従前の取扱いが引き続き参考になる部分も少なくありません。ただし、制度の細かな要件や実際の運用には注意が必要です。特に、2人乗務の特例などは、該当する事業者様では、設備面も含めて確認しておきたいポイントがあります。
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