受付時間

8:00~20:00
定休日:定めなし

お気軽にお問合せ・ご相談ください
(出られない場合は折り返しご連絡いたします)

090-5720-5096

予期し得ない事象に遭遇した場合の対応時間の取扱い(例外的な取扱い)

ここでは、令和6年4月から新規に施行された、例外的な取扱いである、
 
「予期し得ない事象に遭遇した場合の対応時間の取扱い」
 
についてご紹介いたします。

予期し得ない事象に遭遇した場合の対応時間の
取扱い

  • 事故、故障、災害等、通常予期し得ない事象(厚生労働省労働基準局長が定めるもの)に遭遇し、一定の遅延が生じた場合には、客観的な記録が認められる場合に限り、1日または2暦日の拘束時間の規制の適用に当たっては、その対応に要した時間を除くことができることとする。
  • ただし、対応に要した時間を含めて算出した時間が1日または2暦日の拘束時間の限度を超えた場合には、勤務終了後は、1日の勤務の場合は継続11時間以上、2暦日の勤務の場合には継続24時間以上の休息期間を与えるものとする。
  • 厚生労働省労働基準局長が定める具体的な事由
  1. 運転中に乗務している車両が予期せず故障した場合
  2. 運転中に予期せず乗船予定のフェリーが欠航した場合
  3. 運転中に災害や事故の発生に伴い、道路が封鎖された場合、道路が渋滞した場合
  4. 異常気象(警報発表時)に遭遇し、運転中に正常な運行が困難となった場合

予期し得ない事象への対応時間の取扱いについて

新設された経緯

これは、従来から設けられていた「緊急輸送・危険物輸送」(適用除外対象業務)に関する改善基準告示の適用除外とは別に、新たに設けられた規定です。

EU諸国でも、このような例外的な取扱いが定められており、今回の規定はそれらを参考にしたものとされています。

また、トラック事業及びバス事業についても、同様の規定が新設されています。

「通常予期し得ない事象(厚生労働省労働基準局長が定めるもの)」について

まず、「厚生労働省労働基準局長が定める通常予期し得ない事象」は、上記1~4に限定されています。「これに準ずる事由」といった包括的な定めは設けられておらず、対象はあくまで客観的かつ限定的な事象に限られています。

なお、終業時刻間際での乗車、泥酔者への対応、その他乗客の都合による事象についても、「通常予期し得ない事象」に含めるべきではないか、との意見もあるかもしれません。運送の引受け義務により、乗車拒否ができない場合があることもあり得ことによります。

しかし、乗客都合などの曖昧な事由まで含めてしまうと、例外の範囲が広がりすぎるおそれがあります。そのため、人為的な事情までは含めず、客観的に確認できる事由に限定されたものと考えられます。

また、「当該事象は、通常予期し得ないものである必要があり、例えば、平常時の交通状況から事前に発生を予測することが可能な道路渋滞等は、これに該当しない」とされています。

さらに、上記1.~4.には、いずれも「運転中に」という文言が用いられています。これは、運転を開始する前には予期し得なかった事象であることを求める趣旨の現れといえるでしょう。

「通常予期し得ない事象への対応時間」に該当・不該当の例

例えば、

  • 車両が故障したため、急遽、別の運転者が交替して別の車両を運転した場合、この交替した運転者については、不該当となります。
  • フェリーが欠航したため、フェリー駐車場で待機した時間については、これは該当することになります。
  • フェリーが欠航したため、急遽、陸路で移動した場合、陸路での移動時間が、フェリー乗船時間と同程度である等、陸路への変更が合理的であれば、この陸路移動時間は該当し得る
  • 災害・事故での道路封鎖・渋滞では、イベント等での自然渋滞、帰省ラッシュでの渋滞とかは不該当
  • 災害・事故での道路封鎖・渋滞で、同乗者の急病への対応時間、犯罪に巻込まれての警察等への対応時間、といった場合は、車両を停車せざるを得ず、道路の封鎖または渋滞につながる、として該当する
  • 異常気象に遭遇した場合でも、警報が発表されていない場合は、不該当

こういった例が挙げられています。

「客観的な記録」として認められるには

次に、「客観的な記録が認められる場合」としては、次の1、2のいずれの記録も必要とされています。

1.運転日報上の記録として、

  • 対応を行った場所
  • 予期し得ない事象に係る具体的事由
  • 当該事象への対応を開始し、及び終了した時刻や所要時間

2.予期し得ない事象の発生を特定できる客観的資料として、事象に応じて例えば、

  • 修理会社等が発行する故障車両の修理明細書等
  • フェリー運航会社等のホームページに記載されたフェリー欠航情報の写し
  • 公益財団法人日本道路交通情報センター等のホームページに掲載された道路交通情報の写し(渋滞の日時・原因を特定できるもの)
  • 気象庁のホームページ等に掲載された異常気象に関する気象情報等の写し

このような記録や資料も適宜整備し、運転日報とあわせて綴じて保管しておく、といった対応が想定されます。

なお、「ホームページの写し」とありますが、これは、プリントスクリーンによるハードコピーで足りるものと考えられます。

「客観的な記録」が得られない場合の対応

上記の「客観的資料」については、ホームページの写し等を入手できない場合もあり得ます。

そのような場合には、運転日報に可能な限り詳細な内容を記載することにより、対応が認められる場合もあるようです。具体的には、

  • 災害や渋滞等に巻き込まれた区間
  • 該当する時間帯

その他関連する事情など、できるだけ多くの情報を運転日報に記載しておく必要があります。

なお、これはあくまで「やむを得ず客観的な記録が得られない場合」の措置ですので、この方法を常態化させることは適切ではないと考えられます。

除外できる時間と除外できない時間除外について

次に、「時間」の取扱いについてです。

「通常予期し得ない事象」に対応した時間については、1日(日勤)および2暦日(隔日勤務)の拘束時間から除くことができるものとされています。

一方で、1か月の拘束時間からは除外できない点には注意が必要です。

したがって、月末や締日直前に「通常予期し得ない事象」に遭遇した場合には、1日または2暦日の拘束時間については除外できたとしても、1か月の拘束時間では限度時間を超過してしまう、ということも考えられます。

この点について、Q&Aでは「余裕を持った勤務割を毎月作成することが望ましいです。」と記載されています。

もっとも、そもそも「通常予期し得ない事象」である以上、どの程度の余裕を見込んでおけばよいのか、判断が難しい面も残ります。

いずれにしても、このような事象に遭遇した場合には、事象の内容、発生時刻、対応時間、道路状況等について、できる限り詳細な記録を残しておくことが重要だと思われます。

予期し得ない事象に遭遇した後の休息期間

「通常予期し得ない事象」に遭遇した後の休息期間についても、注意が必要です。

タクシー事業においては、当該事象に対応した後、次の休息期間を与える必要があります。

  • 日勤勤務の場合

継続11時間以上

  • 隔日勤務の場合

継続24時間以上

つまり、通常予期し得ない事象への対応により拘束時間が長くなった場合には、その後の休息期間についても、通常より長めに確保する必要があるということです。

なお、参考までに、トラック事業およびバス事業では、通常予期し得ない事象に遭遇した後の休息期間についても、通常の休息期間と同様に、

継続11時間以上の休息期間を与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らない

ものとされています。

この点は、タクシー事業とは取扱いが異なりますので、混同しないよう注意が必要です。

賃金についての注意点

予期し得ない事象への対応時間に係る賃金、つまり、労働時間として扱うべきかについては、「予期し得ない事象への対応時間は、休憩に該当しない限り、労働時間として取り扱う必要があることはいうまでもない。」とされています。

そのため、当該時間が休憩時間に当たらない限り、労働時間または時間外労働として処理する必要があり、当然に賃金支払の対象となります。

見落としやすい点でもありますので、注意しておきたいところです。

ご参考までに、上部にQ&Aの該当ページ抜粋へのリンクを掲載しております。あわせてご確認ください。

村上直己社会保険労務士事務所の
村上直己です。
最適な解決策を考えてまいりましょう。

「通常予期し得ない事象」に遭遇した場合の例外的な取扱いでは、運転日報への記載と、客観的資料の保存が非常に重要になります。

また、当該事象に対応した時間をどこまで除外できるのか、その後の休息期間をどのように確保するのかなど、拘束時間・休息期間の管理も、これまで以上に複雑になることが考えられます。

特に、この取扱いは新設されたものであり、実際の運用場面では、判断に迷うケースも出てくるかもしれません。

「どのような記録を残せばよいのか」

「拘束時間や休息期間をどのように管理すればよいのか」

「運転日報や社内ルールをどのように整備すればよいのか」

このようなお悩みがございましたら、当事務所までお気軽にご相談ください。

より詳しい内容を確認されたい場合や、自社の運用に合わせた管理方法を検討されたい場合は、電話またはお問合せフォームよりお問合せください。

お問合せ・ご相談は無料です。どうぞお気軽にご連絡ください。

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
090-5720-5096
受付時間
8:00~20:00
定休日
特に設けておりません

無料相談・お問合せはお気軽に

お電話のお問合せ・相談予約

090-5720-5096

<受付時間>8:00~20:00
(出られない場合は折り返しご連絡いたします)

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

2023/5/10
改善基準告示の改正の内容をトラック、バス、タクシーそれぞれの事業につき、まとめました
2023/5/12
令和6年4月以降の36協定届(新様式)のご紹介ページを追加しました

サイドメニュー

社会保険労務士
村上直己事務所

住所

〒861-8039
熊本県熊本市東区長嶺南3-3-33

受付時間

8:00~20:00

定休日

設けておりません