
トラック・バス・タクシー運送業の労務管理、就業規則は熊本の社労士
社会保険労務士村上直己事務所
〒861-8039 熊本県熊本市東区長嶺南3-3-33
受付時間
車庫待ち等(顧客の需要に応ずるため常態として車庫等において待機する就労形態)の自動車運転者(※)については、労使協定により、1か月の拘束時間を300時間まで延長することができる。
車庫待ち等の自動車運転者とは、常態として車庫待ち、駅待ちの形態によって就労する自動車運転者であり、就労形態について以下の基準を満たす場合には、車庫待ち等に該当するものとして取り扱って差し支えないこととする。
(上記、改正前での「1日の拘束時間24時間までの延長」については、「1.2.3.の要件を満たす場合」に変更なし。)
次に揚げる要件を満たす場合、1日の拘束時間を24時間まで延長することができる。
(※)車庫待ち等について:
車庫待ち等の自動車運転者とは、常態として車庫待ち、駅待ちの形態によって就労する自動車運転者であり、原則として人口30万人程度以上の都市においては、「車庫待ち、駅待ち等」に該当しない実態にあるものと考えられるが、人口の多少のみによって一律に判断することなく、次の各項目を満たす場合には、「車庫待ち、駅待ち等」に該当するものとして取り扱って差し支えない。
車庫待ち等自動車運転者に該当する場合、通常の自動車運転者とは異なる拘束時間の取扱いが設けられています。
日勤の車庫待ち等に該当する場合、1か月の拘束時間の上限は300時間とされています。
一方、1日の拘束時間については、通常の取扱いと大きく異なるものではなく、所定の範囲内で管理する必要があります。
そのため、日勤の車庫待ち等に該当するかどうかを確認したうえで、1か月単位の拘束時間を適切に管理していくことが重要になります。
なお、日勤車庫待ち等については、一定の要件を満たす場合に限り、例外的に1日の拘束時間を24時間まで延長することができます。
そもそもですが、「車庫待ち等」とは、「常態として車庫や駅などで待機しながら就労する自動車運転者」をいいます。
このような勤務形態では、利用者からの依頼を待つ時間が比較的長く、通常の運転業務に比べると、作業密度が低い場面があると考えられています。
そのため、帰庫させて仮眠時間を与えることができる実態がある場合など、一定の要件を満たすときには、例外的に拘束時間を延長できる取扱いが設けられています。
つまり、車庫待ち等は、常に運転業務を続けている勤務形態ではなく、待機時間を含む特殊な勤務形態であることから、通常とは異なる拘束時間の取扱いが認められているものといえます。
なお、車庫待ち等自動車運転者に該当するための要件として、「事業場が人口30万人以上の都市に所在していないこと」が定められています。
ですが、すでに車庫待ち等の自動車運転者として取り扱われている者が属する事業場については、「当分の間」車庫待ちに該当するものとする、との経過的な取扱いが設けられています。
具体的には、当該事業場が人口30万人以上の都市に所在している場合であっても、現に車庫待ち等の自動車運転者として取り扱われている場合には、当分の間、その事業場の自動車運転者を車庫待ち等の自動車運転者に該当するものとして取り扱うこととされています。
つまり、人口30万人以上の都市に所在する事業場であっても、すでに車庫待ち等として運用している事業場については、当分の間、従前どおり車庫待ち等として取り扱うことができるものと考えられます。
ただし、この取扱いは、あくまで「現に車庫待ち等として取り扱われている者」が属する事業場についての経過的な取扱いと考えられますので、新たに車庫待ち等として取り扱う場合には、要件の確認が必要です。
車庫待ち等では、お客様からの電話や配車の指示を待つ時間が長くなることがあります。
この「電話等を待っている時間」は、単なる休憩時間ではなく、原則として待機時間、つまり、労働時間に当たります。
事業者様の中には、「何もしておらず、ただ待っているだけの時間が、なぜ労働時間になるのか。休憩しているのと変わりないじゃないか。」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
この点、待機時間とは、利用者からの電話や会社からの指示があれば、直ちに出庫・対応しなければならない時間をいいます。つまり、使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、労働時間として取り扱う必要があります。
そのため、待機時間と休憩時間とは、根本的に別のものです。労働時間に当たる以上、その時間については賃金の支払いも必要になります。
実務上は、この待機時間と休憩時間の区別があいまいになっている事業場も少なくないように思われます。
特に、運転日報等に休憩時間帯を明確に記載していない場合、後から「どの時間が休憩で、どの時間が待機だったのか」が分かりにくくなるおそれがあります。
車庫待ち等の勤務を管理する場合には、待機時間と休憩時間を明確に区別し、運転日報等への休憩時間帯の記載を徹底しておくことが重要です。
車庫待ち等により拘束時間を延長する場合には、36協定とは別に、労使協定、いわゆる「車庫待ち協定」を締結する必要があります。
ここでご注意いただきたい点は、車庫待ち協定と36協定は、目的が異なる別の労使協定であるという点です。
車庫待ち協定は、車庫待ち等に該当する自動車運転者について、一定の要件のもとで拘束時間を延長するための協定です。
一方、36協定は、時間外労働や休日労働を行わせるために必要となる労使協定です。
つまり、車庫待ち協定と36協定は、それぞれ役割が異なります。
実務上は、「労使協定といえば36協定だけ」と思われている事業場も少なくないように感じます。しかし、車庫待ち等の特例を利用する場合には、36協定とは別に、必要な労使協定を締結しておく必要があります。
車庫待ち等として拘束時間を延長して運用する場合には、あらかじめ協定の有無や内容を確認し、必要に応じて、適切な労使協定を締結しておくことが重要です。
なお、下記に、日勤の車庫待ち等に関する労使協定書の例を掲載しております。必要に応じてご参照ください。
上記1.での隔日勤務における拘束時間は、原則として1か月262時間です。
ただし、拘束時間の延長に関する労使協定を締結している場合には、1か月270時間まで延長することができます。
なお、「車庫待ち等」に該当するかどうかの考え方や定義については、日勤勤務の場合と同様に判断することになります。
上記2.については、1か月の拘束時間をさらに延長できる場合についてです。
「上記の時間に10時間を加えた時間まで」とされ、延長できる時間数が従前の20時間から、10時間へ短縮されていています。
262時間の場合は、10時間を加えて272時間まで
拘束時間延長の労使協定により270時間まで延長とした場合の上限は、270時間に10時間を加えて280時間まで
ただし、
とされています。
また、2暦日についての拘束時間、つまり1勤務における拘束時間について、上記1.と2.を満たす場合には、24時間まで延長することができることになります。
繰り返しになりますが、車庫待ち等により拘束時間を延長するためには、36協定とは別に、拘束時間延長に関する労使協定、いわゆる「車庫待ち協定」を締結しておく必要があります。隔日勤務でもこれは同様です。
車庫待ち協定は、拘束時間を延長するための労使協定です。
これに対し、36協定は、時間外労働・休日労働を行わせるための労使協定です。
つまり、この2つは目的の異なる別個の労使協定です。
実務上、「労使協定といえば36協定だけ」と思われている事業場も少なくないように感じます。しかし、車庫待ち等により拘束時間を延長する場合には、36協定とは別に、必要な労使協定を整備しておくことが重要です。
下に、車庫待ち等の隔日勤務者に係る労使協定書の例へのリンクを掲載しております。必要に応じて、ご確認ください。
村上直己社会保険労務士事務所の
村上直己です。
最適な解決策を考えてまいりましょう。
「車庫待ち等」に該当するかどうかについては、今後の運用や行政の考え方も含め、引き続き注意して確認していく必要があると思われます。
特に、休憩所や待機所など、運転者が実際に休息・待機できる設備が整っているかどうかは、重要なポイントになるでしょう。
単に車内で待機しているだけの場合には、「車庫待ち等」として認められない可能性が高いと考えられます。
そのため、拘束時間を延長できるかどうかだけでなく、待機場所の整備、労使協定の内容、勤務実態の記録など、実務上確認すべき点は少なくありません。
「自社の運用が車庫待ち等に該当するのか」「労使協定はどのように整備すればよいのか」「時間管理をどのように行えばよいのか」など、お悩みがありましたら、電話またはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。
お電話のお問合せ・相談予約
<受付時間>8:00~20:00
(出られない場合は折り返しご連絡いたします)
フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。